ooこちらは、うさぎ少年と沙羅双樹_橘  の裏CSです。oo
▽Attention/注意
この物語はすべてフィクションです。
実在の人物、団体、事件とは一切関係がありません。
以下のような描写・要素が含まれています:
人体変容,改造┊倫理的,道徳的逸脱┊異常性┊精神的不穏┊事故・死傷
ご留意のうえ、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
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▽Tips/助言
黒く塗りつぶされた部分をタップすると……こちらはもうお伝え済みでしたね。
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ようやく逢えましたね。
怖がることなんてありません。この日をずっと待ち望んでいました。
いくら僕が作った機械とはいえ、流石の情報量の多さで壊れてしまいそうです。
ここに記録されているのは、僕の全てです。oo

▽Exp.Log/実験記録
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Project Name:不確定細胞ミュータント創出計画(Project Indeterminate Cells Mutant)**File Name: Project_Indeterminate_Cells_Mutant_REDACTED.log
Classification: TOP SECRET
oo【研究概要 (Research Summary)】目的
本計画は、不確定細胞の特性を応用し、死の概念を超越する存在の創出を目的とした超長期研究です。
本フェーズでは、人間個体の生存状態の維持を達成することを目標としています。
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進捗
不確定細胞とメビウスの輪の相互作用については、すでに全ての制御機構が確立されており、動物個体への適用においては完全な定着および長期生存が実証されています。
また、人間個体への埋め込み自体はすでに複数回成功しているものの、そのすべてにおいて被験者は短期間のうちに死亡しており、生存状態の維持には未だ至っていません。
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現状
現在、被験体の選定及び初期データ収集の段階にあります。
対象は未だ確定しておらず、数十名の候補者を集めて計画を進めています。
また、今回も従来どおり、研究員1名、橘を被験体と同一の環境下に配置する運用が実施されます。
当該研究員はその特異体質を活かし、被験体の変化を近距離かつ継続的に観察・記録することが求められると同時に、被験体の心理的安定を維持する日常的存在として振る舞う役割も課されています。oo
備考
21世紀初頭に発見された不確定細胞は、観測不能の状態が続く限り、肉体崩壊を行うことができない性質を持つことが確認されました。
しかし、当時の主任研究者である██博士の急逝により研究は一時中断されました。
20年後、研究を再開したのが橘。
彼は記録上、研究再開から現在まで一貫してプロジェクトに関与している唯一の人物です。
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記録
chapter1,2┊chapter3,4┊chapter5,6
表に記載されたデータとの差異が認められた箇所については、可視化のため赤色で強調表示を行っています。oo

▽Basic information/基本情報oooo
名前橘 湊(Minato Tachibana)ナヴィ(Navi)
役割協力者,研究員被検体01,ナビゲート
一人称僕俺
誕生21世紀50世紀
特異体質成長遅延不確定細胞
設定-リーダー気質な少年

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本記録には、21世紀初頭から現在に至るまでの調査に基づき、橘 湊 タチバナ ミナトという少年に関する証言が含まれています。oo
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橘湊は貴方達に何と名乗っていましたか?・橘。でもフルネームはきっとみんな知ってるよ。
家族と仲が良くなかったから名乗らなくなったんでしょ?でもさ、苗字ごと変えるとか もっとやりようがあるとは思うんだ。
それに、よく家族旅行をしたって話も聞いたことがあるよ?ねえどういうこと?
・橘湊、かな。
橘くんの英語で書かれてる研究記録は知っていますか?"Minato Tachibana"と書かれてるんですよ。でも日本語の資料では"橘"だけ。"湊"って名前だけは絶対に出てこないんです。
名前を伏せてる理由は姓名判断によるもの、それ自体は確かに事実でしょう。けれど、もしそれだけの話だったら、そこまで隠す必要があると思いますか?
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▽Personality/性格
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優柔不断,評価は迅速
・「自分じゃ決められない」って橘さんはよく言ってました。占いがすごく好きなのは、みんな知ってたし、なんかそういうの頼りにする人なんだなぁって。みんなも優しい子だからって、あまり深くは気にしてなかったと思います。困ったら誰かを頼る、そういう素直な人って、今どき貴重だと思いません?
・少し前に、橘くんがよく通ってたところの占い師が亡くなったって聞いて……もしかして精神的に参ってるんじゃないかって思って、心配で部屋を訪ねたんです。そしたら「あぁ、そうみたいですね。良い結果も悪い結果も連続で外すような、詐欺師だったみたいですね」って言ったんです。すごく淡々としてて、逆にこっちが戸惑っちゃって。何も言えませんでした。・僕は占いの魅力ってなんですか?って聞いたことがあるんですよ。何て言うか、ちょっとでも近づけたらって思って。そしたら、「ありません」って即答されたんだよね。そのあとに、「些細な選択が巡り巡って人を救いも陥れもするんです。短い人生にかかわる大切なことなんです」って、丁寧な手つきで拳銃の煤を拭きながら言ったんです。…あれってそういうことなんですか?・「自分は銃が上手くないから、上手な人に教えて欲しいです」って言ってたけど、少なくとも私は訓練している様子を一度も見たことがありません。あの子は自分の使い方にそもそも精密さなんて求めていないからですよ。近くまで歩いて行って、ただ撃てばいいだけですから。・彼は優秀だよ。だけど忘れちゃいけない、見た目は12歳の少年に見えても、彼はメビウスの輪を受け入れて、私たちの何倍も生きて来た非人間。あまりに整いすぎたものには、必ずどこかに歪みが潜んでいる。忠告しておこう、橘に距離を詰められた時は、後ろが崖だと思え。あの男は感情を持たないのではない。感情を使う側の化け物だよ。だから、簡単に心を許すな。oo
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研究熱心
・ミュータントたちのことを、本当に大切に思ってるんだと思います。変わり果てた姿になった子が泣いてる時に「僕はいつでもここにいます。君もずっとここに居ていいんですよ。今までよく一人で頑張りましたね」ってほんとに優しく声をかけるんです。…救われたって、勘違いしちゃいますよ。その姿にしたのは他でもない彼自身なのに。
・「ミュータントにするというのは”作る”というより、”生まれ変わらせる”んです」って言ってたな。それに、橘が言う「来世は幸せに恵まれるはずだよ」って言葉、俺あれけっこう好きで。…でも最近ふと思ったんだよ。それってつまり"今世は見込みがなかった"ってことなんじゃないかって。まあ気のせいだろ?・確かに橘の研究熱心さは本物だと思いますけど、正直言うと度が過ぎてるよ。失敗と見なした子供は人ではなく"データ"として扱う。目も合わせないし、感情の起伏に反応しない。さっきまで「一緒に頑張ろうね」って優しくしていた相手に、秒で興覚めするんだよ。合理的って言えばそうなんだけどさ…あれに平気で付き合える人間の方がどうかしてる。俺は近くにいたくない。・次の実験の役割分担の相談を受けた際、"この人はここがダメだから向いてない"だけ言うと、あいつ「それは評価ではなく批判になります」って口調を崩さずに注意してくるんですよ。逆に、"この人はこういう強みがあるから向いてると思う"って言えば、「そうですよね!流石です。よく見ていますね」って、あのいつもの優しい声で褒めてくるんです。こっちが意見を聞いて教えてもらったみたいな気分になりましたよ。相談されて答えただけなのに、ありがとうございますって言いそうになったんですよ?・亡くなった子供と霊安室で必ず最後のお別れをしてるって話を聞いて、すごく良い人なんだろうなって思ってました。でも実際にそうしてるのは、ミュータントや研究者が亡くなった時だけでした。それにあの人…その、損傷が酷くて顔も体も判別できないような子の臓器でも、平気で触るんですよ…医療的な手順って言われたらそれまでかもしれないけど、表情ひとつ動かさずに手を伸ばすの、見てて背筋が冷えました。ああ、人間じゃないんだ、ミュータントなんだ、化け物なんだって、あの時はっきり思いました。oo
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温厚 罪悪感が何よりも効く薬
・新人の頃、僕は大きなミスをしてしまって、もう本当に青ざめました。しかも高価な薬品だったので周囲の視線も痛くて。でも橘さんはすぐに駆け寄ってきて、怒るどころか一緒に片付けを手伝ってくれました。「僕のことは大丈夫ですから。それより君のシャツに薬品が…保管方法を見直さないといけませんね」と言って、自分の白い服が汚れるのも気にせず、僕の服に小さな汚れがついたことを謝ってくれたんです。
・橘くんと一緒に実験してたときのことなんですけど、私、手袋の破れに気づかずに軽く薬品で指を火傷してしまって。自分でも不注意だったって分かってたし、処置室にでも行こうかと思ったら、橘くんが手当てしてくれたんですよ。普通だったら「気をつけてください」って言われる場面でしょう? でも彼は「次は僕が気づけるようにします」って言ったんです。こっちの不注意なのに、監督不行き届きとして処理されてるっていうか……こっちが勝手に申し訳なくなってくるんですよ。だからこそ、同じ現場にいる側として、いい加減なことはできないですね。・確かに怒っている顔は見たことがないけど、笑っている顔もあまり見たことないんですよね。いつも冷静で落ち着いていて、感情を表に出すことがほとんどない。何を考えているのか掴みづらいんです。冷たいわけじゃないけど、ずっと距離を測られてるような、じわじわ圧をかけられてるような感覚が残るんです。・橘がメインでやっている研究チームのメンバーはみんな彼の性格をある程度知っていますし、扱いをわかっています。だから、新人がうっかりそのメインの研究に踏み込んだことを言ったりすると、周囲の空気がぱっと凍りつくことがあるんですよ。その新人は数日後に突然いなくなってしまいます。アガルタで研究員が消えるなんてよくある事ですけど、そんなことが繰り返し起きているんですよ?あの人、表向きは穏やかだけど、そのメインの研究に関してだけは決して無害とは言えませんね。oo
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後輩ムーブ お先にどうぞ
・研究者としては明らかに自分よりずっと先輩なんですけど、"後輩"みたいに感じるときがあるんです。常に一歩引いていて、控えめで、人当たりもすごく柔らかい。研究者ってライバル意識強い人も多いんですが、橘くんはちょっとした意見でも「自分にはない視点でした、ありがとうございます」って素直にお礼を言ってくれるんです。あれ、結構効きます。ついこちらも気を許してしまうんですよね。
・軽い冗談のつもりで『橘先輩』って呼んだことがあったんです。でも、あのときすごく悲しそうな顔をして「先輩はやめてください」って、ぽつんと言われました。理由を聞いたら、「先輩って呼んでくれた人が、自分より背が高くなって、大人になっていくのが好きじゃないんです」って。…取り残された気持ちになるんでしょうね。なんか、少し気の毒に思いました。もう、ああいう呼び方はやめようと思います。・よく言われるんですよ、橘は後輩っぽいって。でも、俺はあれをただの謙虚さだとは思っていません。たとえば実験室に入るとき、必ず俺たちの後ろについてくるんです。一見、遠慮して譲っているように見えますけど……中にミュータントがいるときって、最初に入る人が一番危険なんです。そう考えると、俺たちに安全確認させてるってことじゃないですか?そう思うと、なんだか全部、意味がある行動に見えてきて。橘って場の主導権は絶対に手放さないけど、自分が矢面に立つような立ち回りは絶対にしないんですよ。……これ、俺が言ったことは絶対に他言しないでくださいね。oo

▽History/過去 ①
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・橘は作られた履歴で動いています。話をしてると分かりますよ、彼に過去の話を振ると、毎回内容に一貫性がない。それを指摘されると「昔のことなので忘れてしまいました」で済ませるんです。貴方が教えてもらった彼の過去を試しに思い出してみてください、言っていることが噛み合ってないなら、それは全て嘘だからでしょう。oo
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【アガルタに来る前】????年前 21世紀
僕が生まれたのは、ご存じのとおり日本です。
家族仲は概ね良好でした。特に問題もなく、穏やかに過ごせていたと思います。
僕の父は航海士、ほら僕の名前"湊"でしょ?父が名付けたそうです。
父はほとんど家にいませんでした。仕事柄、長期間船に乗っていることが多かったので。
でも時々、国内の港に立ち寄ることがあって、そのときは数日だけ一緒に船に乗せてもらえたりしたんです。だから僕は、小さい頃からわりと多くの港町を見てきました。
景色が変わるたびに、世界が少し広がるような気がして…あれは貴重な経験をさせてもらえたと思っています。
父の仕事に伴って引っ越しは頻繁でした。
そのたびに友達と別れるのは、やっぱり寂しかったですね。
引っ越しが決まると、母が決まって申し訳なさそうに「ごめんね、湊」って言うんです。僕も、素直に受け入れられる子どもではなかったので、反発はしていました。
「嫌だ、行きたくない」って口では強く言っていましたけど、実際は帰り道にわざと家の近くで姿を隠してみたりして。母か、もしくは近所の交番のお巡りさんに見つけてもらうのが、お決まりの流れでした。それが僕なりの小さな抵抗だったんです。
でも、いざ引っ越してしまえば、新しい環境にはすぐ馴染めました。友達を作るのは得意な方でしたし、転校生という立ち位置で常に誰かしらが声をかけてくれるんですよ。
もちろん、最初はそれなりに緊張しました。自己紹介だとか、「どこから来たの?」みたいな質問攻めだとか。でも、特に問題もなくこなしていましたし、内心でも”ここでもやっていける”と実感していました。
それでも、母や担任の先生には「大丈夫だよ」と伝えても、いまいち信じてもらえなかったんですね。無理もないですけど。
引っ越し前にはあれほど拒絶していたのに、数日後には「新しい学校楽しいよ」なんて言うんですから。心配はかけたくなかったんですけど、どうしても空元気だと受け取られていたのかもしれません。
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逃避行(9歳)
僕の人生で一番大きな変化があったのは、9歳のときでした。
その頃は地方に住んでいて、周囲は緑が多くて、空も広かったです。それまで引っ越しが多かった僕の家庭にしては珍しく、そこには比較的長く腰を落ち着けていまして。
土地に馴染み、日々に安心を感じていた頃でした。正直に言えば、心のどこかで「ここで暮らし続けるんだろうな」と、勝手に思い込んでいたんです。
だから、また引っ越すと聞いたときは、さすがに堪えました。
でもまだ"日本の何処かに居たら、どこかで会えるかもしれない。"そう自分に言い聞かせて、なんとか折り合いをつけようとしていたんです。
母の口から出たのはスコットランド、海外でした。
頭が真っ白になりましたよ。まさか日本の外に行くなんて、想像すらしてなかったんです。
引っ越しが決まってからというもの、母は何かと手続きに追われていて、家を空けることが増えました。その間僕はというと、放課後になると、適当に時間を潰す場所を探していました。
学校から少し離れたところに、大きな森がありました。
地元でもほとんどの人が近づかない立ち入り禁止区域。
危険だから、というよりは、珍しい動植物が保護されている場所です。
当時の僕は、まだちゃんと子どもでした。そういう場所って、どうしても子どもの好奇心を煽るんですよ。ランドセルを背負ったまま、森の中に入ってしまいました。
この先はもう想像つきますよね?戻れなくなって、完全に迷子になったんです。
人通りのない場所だと分かっていたから、助けを呼ぶにも意味がない。
そもそも入ってはいけない場所だと理解していたから、怖くて声すら出せませんでした。
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映画の住人(9歳)でも僕、運が良かったんです。近くから川の流れる音が聞こえて、音を頼りに歩いていったら…人がいたんですよ。赤毛の綺麗な男の人、まるで映画から出てきたみたいな人でした。
ひと目で、この辺の人じゃないと分かりました。
それが、先生との出会いです。僕も驚いたけど、先生も明らかに驚いていました。
お互い「なんでこんな場所に人が?」って、そんな感じの空気でした。
「ここ、地元の人でも入っちゃダメって言われてる場所ですよ。どうしてここにいるんですか?」って僕が聞いたら、先生は少し笑って「俺はちゃんと許可を取って入ってるんだ。無断で来ちゃったのは、実は君だけだよ」って。怒ってる感じはまったくなくて、むしろ面白がっているようにさえ見えました。
その後先生は僕に、川にいた魚の種類や、周りの植物について、丁寧に教えてくださいました。
初めて聞くようなことばかりで、僕は夢中で耳を傾けていました。
先生の日本語は本当に自然で、正直、僕なんかよりよっぽど流暢だったんですよ。
日が暮れる前に、先生は僕を小学校まで送ってくださいました。その後、先生が「ちゃんと許可を取っている」とおっしゃっていた、あの偉い大人の方から、僕はきちんと叱られましたよ。
でも、先生が事情を説明してくださって、僕はほとんどおとがめなし。
むしろ、「次からは先生と一緒なら特別に入ってもいいよ」とまで言ってもらえたんです。
帰り際、先生は「また話が聞きたくなったらおいで」と仰いました。
その日は、それでお別れでした。
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世界は狭い(9歳)
家に帰ってから、僕は母に先生のことを話しました。
どうやら先生のことは、その地域の大人の間では知られていたみたいで、「確かに勝手に入っちゃったのは良くないけど、たくさん学べたならよかったね」と、母も受け入れてくれました。
引っ越しがなくなることはないのと、僕自身よく分かっていました。だからこそ、母もきっとこの土地で良い思い出をひとつでも残してあげたいと思ってくれたんだと思います。
それから学校が終わると、友達と帰って、荷物を置いたあとで先生と待ち合わせして、森へ向かいました。先生は遠くから来た研究者で、主に動植物の細胞について研究していると教えてくれました。そして、2週間…ちょうど僕がこの土地から引っ越す日までここに滞在するということも教えてくれました。ある日、先生が僕に「なんで森に入ろうと思ったの?」と聞いてきました。僕は包み隠さず、海外に引っ越すことになって、それが嫌で、どこか隠れられる場所を探していたと答えました。
先生は頷きながら「どこに行くの?」なんてのんびり聞いてきて、「スコットランドです」と答えたら……びっくりしましたよ、スコットランドは先生の生まれた国だったんです。
最初に会ったときに驚いた赤毛も、スコットランドでは珍しくないと教えてくれました。
先生が生まれた場所なら、行ってみたいなと、その時初めて思えたんです。
僕は、先生の話が大好きでした。先生のことも、大好きでした。
もちろん、小学校の友達と遊ぶのもすごく楽しかったですが、先生と過ごす時間はまた別の意味でとても特別でした。引っ越しまでの残りの時間を、あんなふうに楽しく過ごせたのは、あの時が初めてだったと思います。
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前日譚(9歳)
引っ越し前日の朝、母が言ったんです。「今日はお父さんが港に戻ってくるから、迎えに行ってくるね」と。その日は雨でしたが、久しぶりに父に会える…それだけで、嬉しくてたまらなかったんです。天気のことは気になりませんでした。
僕は通常通り学校があったので、父に会えるのは夕方以降。
いつもと変わらず、下校後に森へ向かおうとしました。
友達と別れて、先生の姿を見つけて駆け寄ったんです。でも先生は「今日は雨が降ってるから、危ないよ」と言って、僕を優しく、でもはっきりと引き返させました。
仕方なく、僕はひとりで家に戻って、窓の外を眺めていました。
けれど、日が沈んでも両親は帰ってきませんでした。しばらくしてから、近所の人が訪ねてきて、僕に言ったんです。
『雨で海が荒れていて、事故が起きた。父と母は、戻ってこられなかった』
最初、何を言われているのかまったく理解できませんでしたよ。
その夜、半日ぶり、数ヶ月ぶりに両親と再会しました。
僕の両親は本当に優しい人たちでした。頭ごなしに否定することもありませんでした。
「大丈夫?」といつも僕に尋ねてくれる人たちでした。
どんなときも、僕を気遣ってくれる、あたたかい人たちでした。
でもあの時、僕は初めて"冷たい"という感覚を肌で知ったんです。
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理想(9歳)
父は優秀な人でしたから、当時はその名がニュースになりました。
報道の中で、僕の顔も映っていましたよ。あれは本当に、おぞましい体験でした。
昔からよく言われていたんです。僕の元の顔は、両親によく似ていると。
ニュースで、写真で、鏡の中で。自分の顔を見る度に、両親の姿がどうしても頭に浮かんできてしまって。だから僕は、自分の元の顔が苦手なんです。
葬儀のことやその後のことは、正直、あまり記憶に残っていません。難しい話が多かったですし、当時の僕には、どう受け止めていいのかも分からなかったんだと思います。
ただ、ひとつだけ、はっきり覚えていることがあります。
引っ越すはずだったその日、僕は先生と一緒に居ました。
僕には頼れる人が先生しか思い浮かばなかったんです。
何をどうすればいいのかも、わかりませんでした。
先生なら、受け止めてくれる気がしたんです。もちろん、無理を承知で頼ってしまったことは分かっていました。先生はその日に日本を離れて、元いた遠い場所に帰ると聞いていましたから。
先生を困らせてしまうことは分かっていたんです。それでも僕には、先生だけが頼りでした。
あれだけの騒動でしたから、先生も僕の状況はご存じだったと思います。
なのに、先生は僕に何も問い詰めたりなさらなかったんです。
どうして森に来たのかとか、なぜ他の大人を頼らなかったのかとか、そういうことを、一言も。
ただ静かに僕の話を最後まで聞いてくださって、ふっと息を吐くように「一緒に来る?」と仰ったんです。きっと先生なりに、とても大きな決断をしてくださったのだと思います。
先生のご出身がスコットランドだということは伺っていました。ただ、当時どこに住んでいらっしゃったのか、これからどこに向かうのかまでは知りませんでした。逆にお尋ねしますが、両親を亡くした9歳の子どもに、そんなことを気にする余裕があると思われますか?そうして辿り着いたのが、ここ、『アガルタ』です。oo念のために申し上げておきますが、僕は決して誘拐されてここへ来たわけではありません。
ご存じですよね?少年少女の誘拐事件が目立ち始めたのは、ここ数年の話です。
僕があのような悲惨な過去を、君や他のミュータントたちに語っていたのは、共感を得るため、距離を縮めるための嘘です。
ここに来る皆さんの多くは、家庭環境などに問題を抱えた子供ばかりですよね。その中で、僕の本当の過去を語れば、確実に傷つけることになります。
ただ、あれは僕が勝手に考えた話ではありません。
全て既に亡くなったミュータントたちが僕に教えてくれた実話なんです。
「名前が嫌いだった」その言葉を口にするのは、とてもしんどかったですよ。
僕自身は、名前を嫌ったことなんて一度もなかったのですから。
僕は、大切な両親がつけてくれた名前…”みなと”という自分の名前が好きです。
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▽History/過去 ②
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【アガルタへ来た後】地下へお引越し(9歳)
先生は、僕が思っていたよりずっとすごい人でした。そんな人が2週間地上で研究して帰ってきたかと思えば、連れて帰ってくるわけですから。驚かれるに決まっています。
アガルタに初めて来たときの感覚は、なんとなく転校初日に似ていました。
組織の人たちは、興味と警戒が混ざった様子でそれはもう矢継ぎ早に質問してきて。
僕は心のどこかがまだ止まっていて、言葉がうまく出てこなかったので、全てに答えることはできませんでした。名前と年齢とどこから来たのか、それくらいです。
先生が間に入ってくださって、とりあえず先生のお手伝いという名目で僕の生活が始まりました。
小学生にしてはハードスケジュールでしたね。
毎日、先生の実験や資料整理を手伝って、合間に勉強を教わって。研究室の片隅で、静かに実験を見ているだけの時間もありましたが、それすら退屈ではなかったんです。
一日の終わりに、先生とご飯を食べるのが楽しみでした。今もその習慣は続いています。
僕は特別に賢いわけでも、すごく苦手があるわけでもない、ごく普通の子どもでした。
ただ、先生の教え方が本当に上手でしたから、自分でも驚くくらい内容の濃い勉強ができていたと思います。あの頃の毎日が、今の僕の土台になっているのでしょうね。
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心までも(9歳)
先生は、水中に住む生き物が好きな人でした。
特に、儚さや幻想的な雰囲気をまとう生き物に惹かれていたようで、研究所には色とりどりの熱帯魚や、深い闇の中でほのかに光るラゲの水槽が並んでいました。
僕は、その生き物たちを見つめる先生の姿が好きでした。
水槽の向こう側の世界に、先生ごと溶け込んでいるみたいで。アンティークの図録に載っている、海辺の館の主…そんな空気をまとっていたんです。似合っている、なんて言葉では足りないくらい、先生はそういう幻想の背景によく馴染んでいました。
けれど、僕はその水槽にあまり近づけなかったんです。水槽のガラスに、自分の顔が映るから。揺れる水と、そこに重なる自分の顔。そして、その奥にちらつく両親の面影が、どうしても結びついてしまって。ある日、先生が言いました。
「湊、顔を変えてみない? あまり子どもにすすめることじゃないんだけどさ…一緒に魚とか、クラゲとか…見れるようになったらいいなって思って」
軽い調子でした。でも、その奥にある気遣いと誠実さは、しっかり伝わってきました。
返事は、もうお分かりですよね。僕は、迷わずうなずきました。そして、先生の好きなように変えてほしいと、お願いしました。先生は、間違いなく優秀な方ですから。
処置は無事に終わって、少し時間が経ったころ。
包帯を外した鏡の中の顔には、両親の面影がひとつも残っていませんでした。
不思議なもので、あれほど逃れたかったその面影を失った途端、どうしようもなく寂しくなるんです。“それだけ大切だった証拠”だと、先生のその言葉に救われました。
僕は後悔していません、その通りだと思ったんです。
両親と過ごした時間は、今でも僕の中にちゃんと残っていて、それを忘れたくないから、来たばかりの頃に書いていた日記を、ときどき読み返すんです。
見た目が変わっても、僕の中身はそのままでした。
むしろ、以前よりも自然に笑えるようになっていたと思います。
そして、先生と並んで水槽の前に立てるようになりました。
組織の人たちからも以前より明るくなったと声をかけてくれるようになって。
僕は少しずつ、自分がどこにいても大丈夫だと思えるようになっていきましたね。
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生まれ変わる(9歳)
何度でも言いますが、先生は優秀な方でした。
地上にいても、地下にいても、先生の研究データや論文は常に狙われていました。
それが人の役に立ち、世界の発展につながるなら、素直に嬉しいことです。
その一方で、それを己の利益のために、あるいはもっと悪質な意図で使おうとする人たちもいました。先生はそのことにずっと悩んでいました。
"メビウスの輪"について、その頃には存在も、それによって変化した身体や能力、容姿の例も知っていました。実際にミュータントを目にしたこともありました。
だからこそ、僕は先生の役に立ちたかったんです。「メビウスの輪の欠片を使えば、その問題を解決できるのではないか」と、先生に提案しました。
僕は、初めて先生に叱られました。
「あれはそんな簡単に扱っていいものじゃない」
「どれだけ上手に改造が出来ても、子どもによっては命を落とすことだってある」
「湊はミュータントにするためにアガルタへ連れてきたんじゃない。一緒に勉強して、生活して……それは全部、そういう目的じゃない」
嬉しかったんです。先生がそう言ってくれたこと自体が。
ちゃんと僕の存在を、ひとりの人間として大事に思ってくれている証拠だったから。
だからといって、そこで引き下がるほど素直でもありませんでした。
先生も頑固ですし。僕もそういうところがあります。
今思えば、どこからそんな自信が出てきたのか分かりませんが、その時は本気で思っていました。
「先生が僕を選んだんだから僕は大丈夫、信じてください」と、必死に伝えました。
賢い先生に賢く育てられたおかげで、僕もいろいろと察する力がついていました。
先生がそこまで否定するのは、何か方法があるからだと理解していたのです。
君はパブリックドメインを、ご存じですか?
研究者が亡くなってから一定の年数が経つと、その人の知的財産は公共のものとなり、誰でも自由に扱えるようになります。便利なようでいて、危ういルールです。
もちろん、生きている間に著作権を他者に譲渡したり、使用条件をライセンス契約で縛ったりと、法的にある程度守る方法はあります。
パブリックドメインという仕組みそのものを消すことはできませんが、
『これは自由に使っていいものではない』『一定の責任をもって扱うべきだ』
と明示することはできます。データの所有者を明確にしておくことで、不正な利用があったときに異議を唱える主体が存在することになります。
先生のデータを誰かのものではなく、守るべきものとして扱うために、先生は対策を考えていたんです。先生は優秀な研究者ですが人間です。
ミュータントに関わる研究をされている以上、常に危険と隣り合わせでした。
ミュータントとなった僕がその"権利の器"になれば、長く守れると、説明してくださいました。
先生は僕に研究データのすべての権利を譲渡し、とある約束をしました。そして、身体にメビウスの輪の欠片を埋め込んでもらい、僕は『極度の成長遅延』という体質を得ました。老化が著しく遅くなる代わりに、時間が止まったような身体で生きていくことになったのです。
その代償と引き換えに、僕は先生の研究を半永久的に"所有し続ける者"になりました。
もちろん、研究所は大騒ぎでした。何しろ、アガルタに来てまだ半年と少しの少年が、ミュータントが、先生の全データを継承したのですから。
最初から、そのつもりでここに来たわけではありませんでしたが、先生と出会って、生活を共にして、気づけば守りたいものができていました。背負うべきものが、そこにあったのです。
僕は改造されたのではなく、改造してもらったんです。
先生は不老不死という選択肢には手を出しませんでした。
いずれ来る僕のはるか先の未来に、誰もいなくなる寂しさや、死ねないことの苦しみを、僕に味わわせないための、先生なりの優しさです。
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みなとはしずか(??歳)
権利を譲渡してもらってから、しばらく経ちました。ここの時間の感覚は曖昧で、何年が過ぎたのか正確には思い出せませんが、先生は出会った頃と変わらず綺麗なままでしたよ。
その日、僕たちは研究のために海へ行っていました。港の端、人通りは多く、賑わっていました。
目当てのものがなかなか見つからず、先生は少し焦っているようでした。ようやく見つかったころには、波がもう足元まで来ていたのでしょう。
僕は少し離れた場所にいて、その瞬間を見ていません。
僕はもともと海が好きでした。
この先のどこかに父がいると思っていましたし、母と三人での船旅が好きでした。
先生と出会ってからは、水中の生き物のことをたくさん教えてもらって。
あの頃の海に対する記憶は、少しずつ楽しいものに塗り替えられていったはずだったんです。
夜の港は、静かで、騒がしかったです。
サイレンの音なんて、荒れた波の音にすべてかき消されて、全く分かりませんでしたね。
視界の端で、僕の知らない濁った黒の海に、赤い回転灯が何度も何度も明滅していて、黒と赤が交わると、こんなにも気持ちが悪いんだと、妙に冷静に思ったことを覚えています。
先生は写真が苦手な方でした、だから一枚も残っていません。どれほど時間が過ぎたのか、正確には分かりませんが、先生は出会った頃と変わらず綺麗なままでしたよ。oo
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名は体を表す(??歳)
この頃の僕が、何をしていたのか、よく思い出せません。今までと変わらず、研究の手伝いをして、勉強をして、一日の終わりには何かを食べていたような気がします。
先生との約束を守るために、一刻も早く改造ができるよう、賢くなる必要がありました。
そんなある日、知り合いが気分転換にと、占いに連れていってくれました。
過去が見える、よく当たると評判の、ミュータントの占い師でした。
僕を一目見るなり、その人は紙を差し出して「名前を書いて」と言いました。
素直に『橘 湊』と二文字書いたところで、その人は青ざめてはっきり言いました。
「貴方の名前はよくない」と。
先述の通り、僕は自分の名前が好きでしたから、反射的に反発しそうになりました。
しかしその様子を見て、占い師は「名前じゃなくて、名前の漢字がよくない」と言い直しました。
僕はこの時、初めて"姓名判断"というものを知りました。
教えてもらった内容を簡単にまとめると、『湊』という字の"さんずい"の部分、水にまつわる部首が使われていることで、水難や事故を連想させることがあるそうです。
心当たりしかありませんでした。
父を、母を、そして先生を、僕は3人も、海に奪われていましたから。
今思えば、僕も"人は3つの因果関係を見れば納得する" という考えに当てはまっていたんですね。あの頃はまだ人間らしさというものが残っていたのかもしれません。
それ以降、"湊"という字を使わなくなりました。今でも外国語での研究論文には『Minato Tachibana』と記載していますが、日本語で記す際には『橘』だけです。自分からフルネームを名乗ることは、もうありません。けれど、隠しているわけでもないので、親しい研究者の中には、僕のことをその名前で呼んでくれる人もいます。
素直に嬉しいと思います。でも、表向きには「嫌いだから捨てました」と話している以上、ほとんどの人は僕を「橘」と呼びます。
それでもいいんです。苗字は両親とお揃いですから。
それに、アガルタに来てすぐの僕は、人ではなく”先生の記録保持者”として扱われる日々。
名前で呼んでもらえること自体、ほとんどなかったんです。
oo以上が、僕の嘘偽りない過去になります。
つまり、僕が君に話した過去は、年齢以外すべて嘘だったということになります。
あとから振り返ってみると、時系列がかなり雑で、どこかで気づかれてしまうかな、と思っていたのですが…どうでしたか?見抜かれていました?
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▽Details/備考
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容姿
・あの子の顔見たことありますよね?誰にでも優しくて、気配りもできて、絵本から抜け出したような完璧な王子様。でも、それって裏を返せば、人間らしさが希薄だってことじゃないですか。誰もあの子を警戒しない、疑う理由さえ見つからない。それが怖いです。白衣を見かけるたび、反射的に彼の姿が頭をよぎるんです。彼自身は白衣なんて着ていないのに。
・あの、整形の話ですけど、全部公言してるじゃないですか。それ言って得することなんてあるの?って最初は思ってたんですよ。でもあたし、気づいたことがあるんです。橘さんって和食が好きなんですけど。『やっぱり日本人なんだね』って言われるのは嫌なんだと思います。和食の好みを否定するわけじゃなくて、"意外"って思われたいんですよ。その反応があることで、自分はもう日本に属していないって思い込もうとしてるというか……。好みは変えられなくても、見られ方や認識なら変えられるって、物凄く彼らしいですよ。・橘の顔っていつ見ても整ってるでしょ?でも怖いですよ。いえ、見た目の話ではなくて。あの人、元の目の色を手術で変えてるんです。そのあと視力回復の手術を何度か繰り返してるって話で……。目ですよ?何度もいじるような場所じゃないじゃないですか、普通。怖くないんですかね…って、怖くないんでしょうね。・表情の変化がない…って、それ湊のことであってる?いや、俺の知ってる湊は表情豊かだよ。気が抜けたときにだけ、等身大の12歳の男の子みたいな表情をふっと見せるんだよ。あれを見たら、多分誰でも少しは心が揺れると思う。笑ったり泣いたりしないのは元の顔が見える気がするからって本人は言ってたけどさ。その崩れるっていうの、正直全く分からないよ。でも本人は許せないんだろうね。oo
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アンティーク
・橘くんのデスク、ちょっと変わってるんですよ。最新の分析機器のすぐそばに、壊れかけの時計や、使い込まれた革製の手帳が置いてあって。「先生が使っていたものによく似ているんです」って言ってました。似ているだけで実物ではないみたいです。当たり前ですよね、流石にここまで綺麗な状態で残ってるわけがないです。でも実物は、自室にあるそうですよ。大事にしてる気持ちは伝わるんですけど、そこに執着する理由が見えてこなくて……心配です。
・「時代を越えて残ってきたものには、どこか温もりがある」「傷や汚れが物語になるようなものに惹かれる」って言い回しが詩的で、橘らしいなとは思いましたけど。…どうなんでしょうね。貴方はあの言葉を、正面から受け取れますか?"橘湊"という人物のことを知れば知るほど、言ってる意味が変わって聞こえてくるんですよ。“壊れても価値がある”、“傷があるから物語になる”。それ、人にも当てはまることじゃないですか?回収された遺体とか、自壊したミュータントとか、そういう存在のことです。残った痕跡そのものに価値を感じているように見えます。…近づくなら、それを理解した上で、自己責任でどうぞ。oo
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シーシャ、香水
・湊がつけてるウッディ系の香水は、湊が先生って呼んでる██博士と初めて会った時のことを思い出すから選んでるって言ってましたよ。香りって、そういう記憶と繋がるものですし、納得です。
・シーシャが好きって言ってたけど、フレーバーのチョイスが橘にしては珍しいんだよ。普段は"和"って感じだからジャスミンは正直意外。毎回頑なに好きと言わずに"お気に入り"って言うから、文字通りお気に入りであっても好きではないんじゃない?・「先生が好きだとおっしゃっていたので、その真似です。僕はきっと他の味の方が好みです」って言ってたよ。尊敬してるからって、同じように好きになれるわけじゃないもんね。oo
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夢
・湊くんは眠ってるときに見るあの夢も、こうなりたいって意味での夢も、両方とも嫌いみたいです。「僕自身は何も決められないのに、脳は勝手に忘れたくないことと忘れたいことを決めるから嫌いです」って言ってました。湊くんって、ただでさえ四六時中、頭の中で色んなことを考えている人なんです。それを何十年、何百年も続けてたら、それはもう…。よくあの睡眠時間で平気ですよね。ちゃんと休ませてあげたいですよ、あの人の脳も、心も。
・「これは来世で必ず実現させることだから、夢だと割り切って終わらせたくないんですよ」とか言ってたよ。夢のままにしておくことを、明確に拒否してる。今世は夢でも来世では現実…って何があっても諦めない。誰かが止められるうちに止めておけばよかったのかもしれないけど、もうその段階は過ぎてるって、はっきりわかるよ。oo
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占い通い
・好きで行ってるわけじゃないらしいよ。必要だからってだけで、本当は行きたくないんだって。お世話になった先生を亡くして、誰にも頼れなくなって…どこに気持ちを向けていいか分からなったんだと思う。
・信じたいんじゃなくて、命令が欲しいんだと思う。自分で決めるより、誰かに指示されたいっていうか。先生って呼んでる人がいなくなって、自分で自分を支えるのが難しくなったのかもしれない。湊って意外と脆いんだよ。だからミュータントには全部隠してるんだって。・"代替を外部に置く時点で、自律できていない"っていうのが素直な意見。亡くなった██博士に対する執着を処理できず、今は占いという形で答えを他者に求めているだけだよ。こういう時、橘に対して驚くほど子供っぽさを感じる。oo
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拳銃とハーフグローブ
・誰かを守るために構えてるように見えて、自分を守るためなんじゃないかな。本当に撃ちたくない、構えたくないなら、最初から持たなきゃいいし、弾なんて入れなくていい。どうしてもって場面では誰かを頼ればいい。でもそれをしないってことは、使う前提で持ってるんだよ。なのにわざわざ、すぐに取り出せなさそうな靴の底にしまってて。油断させてるのかもしれないって、思ったことがあります。
・橘くんって拳銃を傷をつけないように、常にかかとを少し浮かせて歩くんです。だから歩幅が小さくて、足音もやたらと静か。慣れるとすぐに分かるようになります。逆に、靴に仕込まれてない日はもっと分かるんですよ。左右で音のバランスが違うから。でも、それが分かったからって、安心できるわけじゃないんです。靴に拳銃がないなら、どこにあるっていうんですか。・グローブの話なんですけど、橘さんって白を基調とした服ばかり着用されているのに、グローブだけは必ず黒なんですよ。気になって聞いたことがあるんです。そしたら、「発砲残渣やリコイル痕を防ぐためです。あとは気分です」って、普通に答えてくれました。……本当ですかね?常に構えるつもりなら、ずっとグローブはしてるはずじゃないですか。でも、外す日があるんですよ。だからこそ不安になるんです。今日はたまたま"気分"なのか、“撃つ予定がある日”なのかって。oo
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無駄のなさ、物の扱いが非常に丁寧
・私は実験でよく服を汚しちゃうので、白は避けてるんです。でも橘さんって、いつも白い服を着てるんですよ。あの人の服に汚れがついてるところなんて、滅多に見ません。きっと、汚れないようにすごく気を配ってるんだと思います。丁寧で、ちゃんとしてる人って、やっぱり憧れちゃいます。
・研究のときも、食事のときも、橘が気を抜いてる瞬間はほとんどない。美意識の高さではなく、見られることを前提にした振る舞いでしょう。所作も丁寧で、受けがいい。でも、それが人格と一致していると信じるのは、甘いと思います。彼の性格を少しでも知っていれば、それがどれだけ計算された表面か分かるはずです。oo
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アガルタのマイルーム
・位置的にもともと██博士が使ってた場所なんですよね。資料がたくさんあって、移動も大変だから、そのまま使ってるんだと思います。……水槽?なかったと思いますけど。
・この前、資料を見せてもらいに橘さんの部屋にお邪魔したんですが、部屋が物凄く寒くて、涼しいなんてもんじゃなかったですね。橘さんは分厚い服を着てるから平気みたいでしたけど、俺にはブランケットを渡してくれて。優しいけど、せめて冷房の温度を上げてほしいとお願いしたところ、「それは出来かねます。この部屋に冷暖房の機器はありませんから」と言われましたよ。oo
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モデル
ノアの箱舟
テセウスの船
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【各枠への印象】トップや協力者
有能な方々がとにかく多いです。信頼できる方もいらっしゃいます。僕の中で所謂”すごい人” に値するのは、理解と計画の階層をひとつ上から俯瞰できる人だけです。尊敬というのは、そういう人に自然と抱くものだと考えています。
でも、僕が本当に信頼しているのは、距離を測ってくれる人です。必要なときだけ近づき、不要な時は沈黙する。僕を測らず、干渉せず、触れずに認める。そういう理性的な愛情を持った人です。
時折います。僕のやり方を模倣しようとする方。僕のように人を評価し、まるで自分のために研究しているかのような態度で動く方。どうぞ、ご自由に。けれど本来、役に立つ研究を行うべきです。僕は元・人間、現・ミュータント。ただの人間には理解できないでしょう。人をやめたいならどうぞ教えてください。とびきりの改造を施します。その優秀な君を、僕が”作った”ことになりますから。拍手だけお願いしますね。成果を称えるのは自由ですが、そこに君の手柄を混ぜないでください。称賛されるのは僕で十分です。君は”すごい”と言う側であって、言われる側にはなりません。
ミュータント少年少女
人間として救うのではなく、新しい形で生かす。それが、僕が彼らに向ける誠意です。誰にも分からない苦痛、倫理では支えきれない破損、その全てを受け入れ、次の命をデザインする。
ひとつ、認識の確認をさせてください。これは贖罪ではなく、設計です。最後まで僕の手を取ってくれるのなら、必ず来世を迎えさせます。その来世が幸福かどうかは、僕の設計に委ねられるわけですが…信じてくれるなら、それに応える努力は惜しみません。中途半端に人間のフリをするのは辞めましょう。君も、僕も、れっきとした化け物です。
スペクタル第三勢力
存在は否定しません。必要な視点です。でも表面的なところだけで結構。深入りは厳禁です。情を語る者たちの視線は、決して遠くを見ません。僕は以前、「遠いところを見ている子に惹かれる」と言いましたよね。感情に引きずられる計画に、安定した進化は訪れません。残したいものがあるなら、死ぬ気で生きないと。
もし彼らがこれに共感してくれるのなら、僕は彼らのことが、そこそこ好きになれるかもしれませんね。
アンダー大人
色んなことを教えてもらいました。時には壁であり、時には道しるべでもありました。多くの方が、僕を保護する側だと思い込んでいますよね?それで構いません。僕はあと数十世紀は、れっきとした子供です。精神年齢は近いのかもしれません。でもどうしても、アンダーを前にすると僕は子供らしく振舞いたくなります。
“教えてあげたい”、”導いてあげたい”、そういった想いを向けられると、懐かしくて、嬉しくて。そして同時に、思い出してしまうので、大嫌いになります。
SITやスパイ警察組織
大して変わりません。嫌いではありませんよ。とてもよく訓練されていて、論理的で、視野が広いらしいですね。正義側でいたいからそこにいるのか、そこにいるから正義感が生まれているのか。どちらにせよ、ルールや正義という構造の中でしか他者を測れない人たちは、“例外の存在”を前にしたとき、必ず止まります。動かす手段を持っていない者に、僕の研究について語られるのは、少し退屈に感じてしまいますね。僕がどこの誰かを探られても構いません。バレたくなければ、本名で研究成果なんて発表しませんから。探られても、認めません。でも、否定することもありません。
……まあ、現在SITと呼ばれている方には、僕は会ったことがないので、実際は知りませんが。お巡りさんは知っていますよ。僕のこと、たくさん探してくれましたから。
裏切り者
「裏切った」とは思っていません。生存を選ぶのは自然なことです。彼らの選択が、この世界を変えるきっかけになるかもしれませんね。それが決して、いい方向か悪い方向かは分かりませんが。
ところで、何を知ってるの?僕の知らないこと?大きな秘密?そんな幼い子が抱え込んで、不安じゃない?相談のるよ。ほら、話してください。
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▽Secrets/秘匿
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僕が専門にしているのは『動植物の細胞』について。この話はもう何度かしていますね。
ただし、僕や先生が扱っていたのは、『既に滅んでしまった惑星に生息していた動植物の細胞』なんです。現代種の研究については地上のアンダーの皆さんが精力的に取り組まれていますから、そちらに任せておけば充分でしょう。
その惑星には、想像を遥かに超える数の生き物が存在していたようです。先生が生きていた頃から調査は続いていて、僕が引き継いだ今も、まだすべてを解明したとは到底言えません。
ですから、作業の効率化を目的とした機械の開発は、メルロウに頼まれなかったとしても、避けようのない結論でした。
例の『不確定細胞』も、その調査中に先生が最初に発見されたものでした。
表向きには実験中に偶発的に発生した変異細胞とされていますが、実際には、先生が生きていた時代…もう20世紀以上も前には、既にその存在が確認されていたんです。
僕が本格的に研究に取り組み始めたのは、誘拐事件が相次ぎ始めてからです。
不確定細胞について知ったのも、先生が遺してくれた記録を本格的に読み込むようになったのも、実はほんの数年前の話です。色々と後から知ることが多いですね、僕は。
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名前の由来についてですが、ご存じのように、この細胞は"観測されるまでは死なない"という、通常の生命原理では説明のつかない特性がありますよね。
加えて、現代のどの生物にも分類できず、判断しようがないことから、『不確定細胞』と呼ばれるようになったわけです。
何にも分類できないからこそ、改造がとにかく難しい。適合しないことの方が普通で、僕も最初の頃は苦戦続きでした。けれど先生は、ずいぶん早い段階でそれを成功させていたようです。
今記録を見返しても、信じられないほどの精度で。本当に、見事な手腕です。
ただし、問題はその後です。
移植できたかどうかを確認しようと検査を行えば…もうお分かりですね、対象の身体構造は壊れてしまいます。検査そのものが命取りになる、非常に厄介です。
『観測されなければ死なない』という特性は強力です。
”死”という定義そのものを揺らがせ、嘲笑うかのような性質を持っています。
何度も実験は失敗しました。苦しむ対象を前に、何も感じなかったわけではありません。
しかし、感情と研究成果の天秤は、いつだって後者が勝つんですよ。
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この性質には、ある特定の状況下において、極めて強力な利点があることに、お気づきですか?
たとえば、研究者や技術者のように、”調べる” ことを仕事にしている者たちの管理下に置かれた場合、生かすも殺すも自由自在になるんです。解剖さえしなければ生かし続けることができ、逆に検査ひとつ行えば、それだけで跡形もなく消えてくれる。
事故が起きようが、手順を誤ろうが、証拠を残さず"なかったこと"にできるというわけです。
研究過程を完全に抹消できる手段として、これほど都合の良いものは他にありません。
動物実験の範囲であれば比較的自由に取り扱えましたが、いずれこの細胞を人間に埋め込めないかという発想に至るまで、時間がかかりませんでした。
そして、それこそが、先生でさえ到達できなかった領域だったのです。
詳しいお話は既に一度お伝えしていますが、人間という存在は非常に厄介です。
賢く、そして言葉を持っている。自分に関する情報を他人に明かしてしまう。
何かを教え込めば勝手に誰かに渡してしまう。
洗脳を施してしまえば思い通りには動いてくれない。
だから行き着いたのが、『ナヴィ』なんです。
僕は、先生の研究を代わりに完成させました。それが、本当に嬉しいんです。
やっと、先生との約束に一歩近づけた気がしますから。
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考えたことがありませんか?
"今の選択は正しかったのか"とか、"もしあの時、別の道を選んでいたら"とか。
もっと率直に言えば、"亡くなったあの人にもう一度会えたら"と。
やり直したい、そう思いますよね。
というよりも、そう思った先で224に賛成しているわけでしょう?
中には反対している子や、賛成しながらも”復讐”という二文字に、少しだけ戸惑いを見せている子もいるみたいですけど。
僕が研究データを譲渡してもらう際、先生と交わした約束は、かつてあの惑星に存在したという、とても美しい海洋生物を蘇らせることです。
先生は、それを見てみたいとおっしゃっていました。
その特徴を持つミュータントとして蘇ったら、会って話してみたいとも。
僕は、そう遠くない未来に、滅びた動植物たちを蘇らせることに成功できると考えています。
ほんのわずかな手がかりがあればいい。痕跡でも、化石の破片でも。何か一つでも残っていれば、どうにか繋ぎ合わせていける。
だから、僕はここまで冷静に研究を続けていられるんです。
死んでしまっても、僕が残したいと思えるのなら蘇らせればいい。
臓器の一部でも保管しておけば、それで十分です。
ですが、そうやって割り切ってばかりいては、やはり、研究者としては不完全だとも思うんですよ。僕たちは探求心の奴隷です。悔しさや後悔を、燃料にしなくてはいけない。
失って初めて気づく、その"喪失の痛み"こそが、研究の動力になる瞬間もあるからです。
僕は忘れたくないものほど、自分から消してしまいたくなるんですよね。
両親の面影も、名前も、メルロウも。全部大切だったはずなのに。
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勘の鋭い方は嫌いではありませんよ。先生のことは数え忘れてなどいません。
写真こそ残っていませんが、覚えていることはいくつかあります。先生の実験記録はすべて僕に譲渡されていますし、その思い出は僕がつけている記録に残っています。
人は声から忘れていくそうですね。しかし、音声記録がありますから、先生の声は何時でも聴くことができます。
香りは残りやすいと言われているそうですね。これはシーシャと香水があります。
ただ、表情やちょっとした仕草は忘れてしまいました。
顔はわかるんですけどね、毎日見ていますから。
君にだけ教えてあげます、特別ですよ。
先生は、僕の自室のベッドの下の収納スペースにいらっしゃるんです。
だから僕は研究所にのこらず、毎日自室に帰っているんです。
逆にそれ以外に帰る理由なんてありません。状態としては、コールドスリープですね。
僕の部屋が寒いと言われるのは、その冷気のせいでしょう。
僕はもう慣れているので、気になりませんけど。
僕は、先生を生き返らせたい。
そのうえで、研究データを再譲渡したいと考えているんです。
両者の合意があれば、この場合可能なんですよ。
それに、あの美しい海洋生物が蘇った時、一緒に見られたらと思うのは、普通の感情じゃありませんか?僕だけが誰かの願いを見るなんて、不公平でしょう?
もし224が成功すれば、世界が侵略できれば。
もっと多くの滅びた命に触れる機会が訪れるはずです。
だから、僕は224計画に賛成しているんです。
僕には224が成功したその先で、必ずやり遂げたいことが既にあります。
これは夢ではありません。実行可能な、確かな目標です。
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君は、たとえほんの表面的だったとしても、僕を理解しようとしてくれました。僕は、僕のことを”データ保管庫”としてみない、一人の協力者として接してくれる人が大好きなんです。
それに、メルロウだけが君に願いを叶えてもらって、ずるいじゃないですか。
僕だって被検体でしたよ?
ずっと長い間、努力して、耐えて、結果を出して、頑張ってきたんです。
ずっと生きていてください。君がどれだけ崩れても、劣化しても、潰れてしまっても、何度だって生き返らせて、何度だって生まれ変わらせてあげますから。
どんな形になっても、繋ぎ合わせて、保管して、設計して、再構築して。
ほら、それは僕の得意分野でしょう?
224は、僕にとって寄港地にすぎません。
航海の先には、もっと広い世界があるのですから。
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▽Connection/関係組み
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シモン・ヴィトラズリ
メルロウを観察するうえで同じくらい観察しています。単純に羨ましいです。
僕に"地元"や"いつもの景色"と呼ばれる場所はありません。
この先どれだけ頑張っても、手に入ることはありません。過去は変えられないものですから。
実験の過程で別の誰かを演じることで、少しだけそういう感覚をなぞってみるんです。
疑似的にでも体験することで、"それっぽく"なることはあります。けれど、それだけです。
見た目についても、似たようなことを思います。
もし、先生があの子を見たら、気に入ると思います。いくら今の自分の容姿が整っていると評価されたしても、あの自己肯定感だけは手に入りません。
反抗的な様子は、"こんなものか"というのが素直な印象です。
扱い方さえ分かれば、簡単ですね。
向けられる目線が、ちょっとした尊敬に近いことにも気づいています。
皮肉にしか感じられませんが。
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Innocent【CS】
→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/06UoxoU0713//
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メルロウ
解析機器が完成したので、入れてあげました。
出禁の提案は、メルロウを守るための措置です。あのまま更に何かをやらかせば、さすがに処分は免れませんでしたから。
だったら定在適所ということにして、研究所から離してしまう方が合理的です。
正直なところ、メルロウが何をしようが、僕としてはどうでもいいんです。
自由にやらせてあげたいと思っています。これは本音です。
完成させたのは僕ですし、だからこそ、可愛くて仕方がないんですよ。
メルロウを殺す気なんて最初からありませんでしたよ?
でも、僕にとってまずかったのは、『橘が誰かを消そうとした』よりも『メルロウに希死念慮がある』と知られることの方だったんです。
①僕は細胞の研究をしています
②僕とメルロウでは、根本的な価値観が違います
③僕は解析機器を製作していました
これで、満足していただけましたか?
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Nor【CS】
→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/Subject02//
oo

▽Last/最後にcredit
募集企画元蒼月 様:【募集企画】うさぎ少年と沙羅双樹
→http://uranai.nosv.org/u.php/novel/AGARUTA/
表CSCipher【CS】
→https://uranai.nosv.org/u.php/novel/Reverie_/
または、本ページ右上より
作成者はなまるよすが(@Yosuga00)
→https://yosuga00.carrd.co/
記録者██ 橘

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ここからは業務連絡です。
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少年について
先程お話に出したシモン・ヴィトラズリの裏CSについて、お知らせします。
表と同様、占いツクールにて現在鋭意制作中です。完成までもう少しお時間をいただきます。
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制作秘話について
こちらも現在、鋭意制作中です。完成までもう少しお時間をいただきます。
裏CSに直接関わる内容を含むため、占いツクールにて、パスワード付きでの公開予定です。
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以上、2点についてのご連絡でした。
準備が整い次第、改めてお知らせいたしますので、少々お待ちください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
君が知っている僕のイメージはもう変わってしまいましたか?
いいんですよ、慣れてます。何回も経験してきているので。
それとも、少し同情して下さったのでしょうか?
そうだとしたら、なんだか申し訳ないですね、押し付けてしまったみたいで。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。―――――――――――――――――――AG-RL00_Agartha Laboratory
Research & Observation Unit
担当者:橘
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